セントノア病院

こころのこもった医療と介護を実践し、患者様の「安全の場」づくりに全力で取り組んでいます。
川越セントノア病院 春日部セントノア病院
  • 2016年8月1日 『なんともはや』

    参院選が終わり、都知事選も終了した。私は都民ではないので、都知事選は高みの見物でしたが、参院選には行きました。しかしこの国の将来を左右するかもしれない選挙、などという一種の高揚感など微塵もなく、何か満たされない喪失感や倦怠感しか感じられませんでしたね。そしてその結果は皆さんが予想した通り、自公の圧勝でした。

    『アベノミクスは失敗ではない。まだ道半ばなのです。これからもっと景気も良くなるし、給料も上がります』

    選挙中の安倍さんの応援演説はこれ一辺倒。こんな「猫だまし」みたいなフレーズが功を奏するとは「なんともはや」ですよ。日本の国民って本当に素直なんですよね。

    日銀のゼロ金利政策や為替相場の円安のお陰でここまでボロを出さずに来ましたけど、それも限界。これ以上の進展はないだろう、というのが大方の有識者の見方ですが…。

    辛抱強さには定評のある日本民族なので、ここまで来たら安倍さんにとことん付き合いますか。

    さて本題に入ります。安倍さんが揚げる「一億層活躍プラン」の目玉の一つである、介護職員の処遇改善の話です。この処遇改善に絡んで、どうやら厚労省は来年度には介護報酬を改定する方針のようなのです。本来、医療報酬は2年、介護報酬は3年に一度が改定の決まりですから、介護報酬の改定は18年度のはず。この決まりを破ってまで一年前倒しをするようなのです。かなり焦っていませんか?

    最も前倒しは処遇改善のみだそうですが…。

    介護職員の処遇改善は、介護施設や特別養護老人ホーム、訪問介護等々、深刻な人材不足の解消が目的であることは言うまでもありません。そして厚労省のプランにある「17年度からキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の改善を行う」方針も、そしてその実現を図るためにも来年度には実施したいのだそうです。

    ところで我々の施設は精神科の病院です。当然、医療保険ですから、この厚労省のプランに乗っても全く恩恵はありません。しかし認知症専門病院という特性を考えれば、看護師だけではなく介護士も必要なことは言うまでもありません。ですから川越・春日部の病院にはそれぞれ42名もの介護職員が在籍しているのです(医療法では36名が必要とされていますが)。そして厚労省に言われるまでもなく、キャリアアップの仕組みはもちろんのこと、処遇改善は開院当初から実施しています。ちなみに当院の介護職員のうち80%は介護福祉士の資格を持っていますし、年収も平均で430万を超えています。

    何が言いたいのかというと、つまり介護に限らず職員の処遇改善は企業努力で行うものであり、国から国民の税金をもらってまで行うものではないということなのです。

    それに処遇改善のその財源はどうするのでしょう。医療保険も介護保険も財源不足でパンク寸前であることは関係者ならずとも誰もが承知しているはずです。結局は消費税等で国民から税金を徴収するか、現在40歳から徴収している介護保険料をアップさせるか、徴収年齢を30歳以上に引き下げるか以外に手はないのです。

    それともまたまた国債を増刷して、膨大な借金の上にまた借金を重ねますか、安倍さん。

     

     常務理事・事務局長 瓦井 洋

  • 2016年7月1日 『年金制度は大丈夫?』

    当院の職員の定年は開院当初から65歳。別に安倍さんの「一億総活躍」のフレーズに迎合したわけでもないのですが、65歳が定年です。その理由は幾つかありますが、一番大きな理由が次の一点かもしれません。まず、当院のような認知症の病院の看護・介護に最も必要なもの、それはスタッフの『いつも明るい笑顔』。『優しい言葉』。『患者への思いやり』。というのが当院の考え方。その基本は『相手の身になって物事を考えること』、から始まります。この考えが65歳とどう結びつくのか…。偉そうなことを言うようですが、人というもの、人生経験を重ねるたびに相手のことがよく分かる。つまり、『相手の身になって物事を考える』ことが少しずつ出来てくるものだと思うのです。そこで、当院のスタッフも、年を重ねるたびに看護や介護に厚みを増す…というのが持論。もちろん当院の看護・介護はかなりハードですから、体力の許す限りという注釈は付きますが。

    さて本題の『年金』。65歳定年の当院でもチラホラと定年退職者が出始め、団塊の世代にも老後の人生に『年金』が大事な役割を果たす時代に突入します。

    ところが今、この年金制度が土台から崩れかかっているのです。まず、日銀によるマイナス金利。個人的には預金金利は、もともとゼロに等しかったので影響もほぼないと思われます。ではもう一方の住宅ローンは。金利の低下で一番恩恵を受けたのはこれでしょうね。住宅ローンだけで判断すれば「マイナス金利政策」は個人にとって全く有難く見えます。でも老後に向けて一番頼りにする年金制度にはどうでしょう。厚生年金。企業の従業員は年金保険料を月々支払い、事業主負担と合わせて将来の年金給付に備えて積み立てています。その積立金額は現在約130兆円。この溜った資金は国の公的機関が運用し、その35%がこの国の「債権」、つまり国債に回される決まりです。ところがこの「債権」が日銀の政策で利回りがマイナスになってしまったのです。利回りがマイナスの資産に運用投資することは、年金加入者に対しての立派な裏切り行為ですから、何とかしなければなりません。でも、日銀の政策が変わらない限りどうにもならないのです。

    では、残りの65%の運用はどうなっているのでしょう。こちらはやばいです。国内株式や海外証券などリスク資産に投資しています。ハイリスク・ハイリターンですから、運用益も大きいが、株価暴落時等には回復が不可能なほどの損害を被る可能性も大なのです。一種のギャンブルと言えるでしょう。

    ちなみに先月、英国がEU離脱を決定した途端、円は急騰し株価は暴落。この株価急落により厚生年金の運用益は、一時的には一気に34兆円を超すマイナスになったとか。

    国民の将来不安の解消には、社会保障の立て直しが必要なのは誰もが分かっているはずです。当然、負担増や歳出改革も避けては通れない覚悟が要ります。アベノミクスはそうした地道な取り組みを素通りするどころか警鐘すら鳴らすことはしていません。世は参議院選挙の真っただ中。アベノミクスの成否が問われる選挙とも言われていますが、アベノミクスの甘い果実に気を取られていると近い将来、強烈なしっぺ返しを食うかもしれませんよ。それにアベノミクスの命綱は円安に株高。その命綱が英国のEU離脱が引き金になって切れそうな気配なのです。安倍さんならずとも不安ですよね。

    今、この国の社会保障は借金の上に借金を重ねてやり繰りしている制度。いつ瓦解しても不思議ではないのです。いや、もう既に瓦解していると言っても過言ではありません。この社会保障制度の立て直しには余程の覚悟が必要です。アベノミクスでは到底追い着かないと思うのですが…。

     

     常務理事・事務局長 瓦井 洋

  • 2016年6月1日 『薬の毒』

    どんな薬にも副作用がある、という事は以前にも何回か書きました。しかし、その副作用が人の体にどんな作用をするのか、どんな害をなすのか…という事まではあまり深くは考えないようです。

    かく言う私も薬の副作用について真剣に考えるようになったのは、大変お恥ずかしい話なのですがこのセントノア病院を創立してからだと思います。それ以前はこの業界に身を置きながらも全て医者任せで、薬の副作用についてなど、対岸の火事ほどにも考えていませんでした。多分皆さんもそうではないかと思いますがどうでしょうか。

    つらつら思うに、あまり興味を持たないという原因の一つには、副作用という言葉自体もいけないのではないかと思います。まあ、副作用があったとしても薬の作用の一部だし、きっと大したことはないだろう、と何となく軽く考えていないでしょうか。

    そこで提案なのですが、この「副作用」を「薬の毒」と入れ替えてみたらどうでしょう。少しはインパクトを感じるかも知れませんよ。

    実際にインパクトのある話をしましょうか。韓国でのお話です。もう暖房時期はとっくに過ぎてしまいましたが、韓国の冬の暖房はオンドルという床暖房が主流だそうです。そしてその床暖は部屋の空気をかなり乾燥させてしまいますので、加湿器が必需品になるようなのです。その加湿器にまつわる話です。

    どんな加湿器でも使用しているうちに雑菌が繁殖します。その雑菌を駆除するため、加湿器用殺菌剤が韓国内で売り出されました。2001年のことです。

    加湿器には大まかに、超音波加湿器とスチーム加湿器の二つのタイプがありますが、殺菌剤が使われたのは水を超音波振動で細かい粒子にして噴出させる、超音波加湿器です。このタイプは繁殖した雑菌も一緒に噴出してしまいますから、雑菌を駆除するために殺菌剤が必要だという事になったようです。

    問題となったのはこの殺菌剤です。殺菌剤の主成分等の説明は省きますが、この薬剤は消毒薬や農薬等に使われる化学物質だそうで、皮膚にはあまり影響ありませんが、微粒子となった水と一緒に肺に入ると、呼吸器不全や呼吸困難を引き起こすそうです。まさかね、まさか雑菌を駆除してくれる殺菌剤に、人間をも殺傷する毒性があるとは…ね。さらに悪いことに、この加湿器用殺菌剤は、2011年に販売禁止になるまでの10年間、毎年春に呼吸器疾患の患者が激増したにもかかわらず何の手も打たずに放置されたため、100人以上の患者が死亡するという事件にまで発展してしまったのです。

    他人事ではありませんよ。除菌を売りにしている製品はこの日本でも沢山あります。台所用の洗剤をはじめ、洗濯用の洗剤や柔軟剤。消臭剤に除菌消臭水。除菌をし、消臭する製品は清潔志向の強い日本人にはごく当たり前に身近にありますが、菌を駆除するためには、多かれ少なかれ毒を使うという事なのです。小さいお子さんやお年寄りは特に気を付けてくださいね。

    昔からよく言うじゃないですか。

    「毒には毒を持って制す」って。アレ?

     

     常務理事・事務局長 瓦井 洋

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