今年の寒波は凄まじい。この寒波の影響は特に北ヨーロッパで激しく、ドナウ川が凍結、氷の厚さが50pにも達し、その河畔の国々では洪水を防ぐために砕氷船が出動する騒ぎだったとか。
日本にもこの寒波の影響は各地に及んでいます。降雪の実害は北国では相当深刻な問題ですが、雪の少ない関東平野に住む私達にはあまりピンと来ません。それでも関東地方の超低温と乾燥した晴天続きの毎日は、早々とインフルエンザの蔓延を引き起こし、高齢者を預かる我々のような病院では、感染者を出さないように神経をすり減らす毎日でした。幸いにも今のところ両病院ともインフルエンザに感染した患者さんは一人も出ていませんが、まだまだ安心は出来ません。
ところで、この国の政治は一体全体どうなっているのでしょうか。野田サンは不退転の決意とかで社会保障と税の一体改革と称し、我々庶民には負担の多い消費税の増税ばかりを言っています。
各メディアの世論調査を見るまでもなく、約60%の国民は消費税増税を容認しているのですが、一方で野田さんの言う政府案には反対しています。それは増税より前に行政改革による無駄の削減や国会議員の定数や歳費の削減、公務員給与の削減など、与野党全ての国会議員に「身を切る」努力が必要だと誰もが思っているからです。野田サンはこれらのことを全て棚上げし、先送りしました。
議員サンや官僚サンの既得権益にはいっさい手を付けず、消費税だけを上げようなんて、こんなところで不退転の決意を使われたのでは堪ったものではありません。誰が考えてもこんな「当り前」のことが今の国会のセンセイ達には理解が出来ないらしい。
それにしても近頃の世の中、何か変だと思いませんか。3・11の震災に始まって、原発事故後の政府・官僚、そして東電トップの危機管理意識のかけらもないドタバタ対応や会見。まだまだありますよ。最近では沖縄防衛局長の選挙誘導まがいの言動、そんな官僚の直属の上司である防衛大臣は、国会審議中にもかかわらずコーヒーを飲みに行っていたとか。どっちもどっちというか、同病を相憐れんだのか防衛局長を罷免も出来ずに「もうコーヒーは飲みません」なんて!こんな答弁は今時の小学生だってしませんよ。
議員や官僚ばかりではありません。ギャンブルで100億円も使ってしまう大王製紙のお坊チャマや、1300億円以上ともいわれる損失を隠し、粉飾決算を行っていた光学機器の名門オリンパスの経営陣の皆サン。ほんの一部の人達とはいえ、昨今のこの人たちの言動を見るにつけ、私たちが常識と思ってきた「当り前」の定義が壊れてしまったのかと思えてなりません。笑い事ではないですよ。なにしろこの人たちによってこの国が動いてしまうのですから。
「当り前」。広辞苑によれば、当り前とは【そうあるべきこと。当然。】となっています。最近はこの「当り前」が「当り前」ではなくなってきているのでしょうか。広辞苑の解釈がずれてきているのか、私の感覚がずれているのか。いずれにしても、当たり前のことを当り前のように考え、当り前のように行動できる、そんな世の中であって欲しいと私は思うのですが…。
我々病院の職員も、医療に携る者として、また社会人、職業人として、当たり前のことを当たり前のように行動できる職員であって欲しいと強く願わずにはいられません。当たり前のことをやっているのにあえてそれを褒めなければならない世の中では、ちょっと辛すぎると思いませんか。
常務理事・事務局長 瓦井 洋