春日部セントノア病院

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2017年4月

『ヤマメとサクラマス 同じ魚の、違う生き方』

皆さんは「ヤマメとサクラマス」をご存じでしょうか?

両者は、小船と戦艦ほどの大きさの違いのある魚です。体調20センチのヤマメに比べてサクラマスは60センチと大きく、体重は30倍もの違いがあります。しかし、実はサクラマスはヤマメと同じ魚なのです。同じ母親、同じ卵から生まれる魚なのです。私はこの事実をNHKのテレビ番組で見て知って、衝撃を受けました。だって、テレビに映っている大きさも形相もまるで違っている魚が、まさか同じ卵から生まれた同じ種類の魚とは思えなかったからです。では、なぜそんなことが起こったのでしょうか?そこには私にとって実に興味深い事実というか、自然の摂理が存在していました。

ヤマメもサクラマスも実は生まれたては全部ヤマメの姿です。雪解けとともに生まれたヤマメの赤ちゃんはせっせと川の流れに乗って浮遊してくる虫などを食べて大きくなるのですが、条件の良い川上に陣取るヤマメがどんどん大きくなります。川下のヤマメは餌が少なく、大きくなれません。ここで普通は「そうか、大きくなったヤマメがサクラマスになるのか」と思いがちです。ところがどっこい、事実は正反対です。川下でおこぼれにしか預かれなかった、いわば「おちこぼれヤマメ」が実は、自分が生きていく為に危険の多い海にくだり、太平洋を一周して生まれ故郷の川に戻ってきた時、何ということでしょう!栄養豊富な海で荒波にもまれ苦難を乗り越えて戻ってきたのが「サクラマス」なのです。

「なるほどね。」私は納得しました。ところが、驚きの事実がもう一つ先にありました。それは、海から戻ってきたサクラマスは繁殖を終わると死んでしまいます。しかし、川に残ったヤマメはサクラマスより1〜2年、長生きなのだそうです。川で敗れ、生きるため海に出ていかざるを得なかったサクラマス。大きくなってヤマメを見返したと思ったらヤマメより短命で、その波乱の生涯を終えてしまうのです。ヤマメは自分達より大きくなって帰ってきたサクラマスに驚き怯えたかもしれません。しかし、サクラマスの方が短命で、自分達の方が長生きだったのです。

私は、これは人生にもあてはまるな、と思いました。全ては等価交換、自分がやってきた事がすべて自分に帰って来ます。全てはその時の選択だけど、終わってみたら帳尻があうように出来ているのかもしれません。

どの一生もみんな同じ「泣くも一生、笑うも一生」。ただ1つ言えるのは、流れに逆らっても身を任せても流されます。しっかりと前を向いて流されず、一生懸命生きていく事が大切なんだとヤマメとサクラマスから学びました。


追記:海に出るのはほとんどがメスとの事、いずこも女性が大きくて強いようですね。(笑)

 

2病棟師長  船津 栄